みらっちの読書ブログ

本や映画、音楽の話を心のおもむくままに。

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追悼 酒見賢一さん【泣き虫弱虫諸葛孔明/酒見賢一】

みらっちです。 ここのところ連投になってしまいますが、今日はショックのあまりの投稿です。 酒見賢一さんが亡くなりました。 59歳とのこと。早すぎます。 酒見さんのことは、いつかブログに書く予定で、ずっと温めていました。まさかこんな形で書くことに…

『本は、これから』から約13年経った今、本は【本は、これから/池澤夏樹編】

こんにちは。みらっちです。 私の友人の金森なごみさん(仮名)の息子さんは、息子と同い年の高校1年生です。 仮にヒカルくんといたします。 彼は私がこの「はてなブログ」を始めたころから私のブログを読んでくださっている、稀有な存在です。母のなごみさ…

夢見る時を過ぎても

こんにちは。みらっちです。 シミルボンの転載ではない「はてな」としての記事を書くのはとても久しぶりです。 こちらでのシミルボン転載をひと休みしたのは、とある記事のコメントにスパムのようなものが貼り付けられてしまったからです。3年以上ブログを…

清々しい読後感が味わえる一服の清涼剤のような物語【武士とジェントルマン/榎田ユウリ】

榎田ユウリさんは、BLやライトノベルの作家さんだそうです。読後、久しぶりに清々しい読後感を味わいました。 しいて言うなら、これに似た爽やかさ。 books.bunshun.jp こちらは青春スポーツ小説です。武士(宮本武蔵)に憧れる剣道少女が出てきます。 さて…

日本SFの巨匠かく語りき【ジャックポット/筒井康隆】

筒井康隆さんは、言わずと知れたSFの大家。少女の頃夢中になって読んだ日々は遠い昔となり、その後断筆宣言や炎上騒動など、様々なことをニュースや雑誌などで目にするも、作品からはしばらく遠ざかっていました。息子さんの訃報の記事とともに、この2月に新…

氷室冴子さん、また会えましたね【さようならアルルカン/白い少女たち 氷室冴子】

ブログで少女小説を取り上げたときに、「コバルト文庫で当時は新井素子さんに夢中だったのだが、今思い出すのは氷室冴子さんだ」ということを書いたことがあります。 するとその直後、友人から「氷室冴子さんの新刊本が出るらしいよ」ということを聞きました…

届けたい人に届かないもどかしさ【スマホ脳/アンデシュ・ハンセン】

この本を手に取る多くの方は「子供のスマホ問題」に悩んでいるのはないかと思います。 なにしろ帯に「スティーブ・ジョブスはなぜわが子にiPadを触らせなかったのか?」という惹句がついています。いやぁ、それ知ってるけれども。有名な話だけれども。いろん…

結局自分とつきあうのが一番難しい【藤原伊織】

『ダックスフントのワープ』は藤原伊織さんのデビュー作です。集英社文庫も文春文庫も、すでに絶版のようです。 books.bunshun.jp 1985年発表で、すばる文学賞受賞作品。集英社文庫版の解説は大学の同窓生であった宗教人類学者の植島啓司さんで、それによる…

リアルから学べと教えられる【養老孟司】

以前、養老孟司さんの講演を聴きに行ったことがあります。会場に入るときに、会場前の植え込みを覗き込んでいる姿をお見掛けしました。講演が始まって、虫を探されていたのだということを知りました。昆虫が大好きで、虫のいるところ世界中どこへでも出かけ…

恋愛だけじゃないんです青春は【佐々木倫子】

佐々木倫子さんと言えば『動物のお医者さん』『おたんこナース』など数々の大ヒットを飛ばしていらっしゃる人気漫画家さんです。 www.kinokuniya.co.jp もう、動物漫画の金字塔なので語るまでもないかと思います。この当時、ハスキー犬を飼うのが流行ってい…

歴史と人間への温かな視線にハマる【司馬遼太郎】

没後25年程経ちますが、ある程度人数が集まった無作為な集団で「司馬遼太郎の影響を受けた人」と問いかけたら、まだまだかなりの人数の手が上がるだろうと思います。 今の若い方はどうかわかりませんが、昔若かった私世代(ご推察ください)の同輩の方々は、…

多和田成分を補充中【地球にちりばめられて/多和田葉子】

お久しぶりです、みらっちです。 ついに老眼鏡を買うことにしました。 強度近視なので、眼底の心配はしていましたが、老眼に関しては「まあこんなもんだろう」と思っていた私。 しかし最近、どうも本が読めないのです。 読む気がないわけではないのに、積読…

「怖い絵展」を見逃したことを悔やんだ【災厄の絵画史/中野京子】

ランキング参加中読書 2017年に上野の森美術館で「怖い絵展」が開催された時、私は東京のとある街に住んでいた。 www.ueno-mori.org 駅のホームでポスターを見かけて、行ける、行きたい、と思った。にもかかわらず、半年後の引っ越しのことや子供のことでな…

2冊目の本は鈍器本

こんにちは。 みらっちです。 とても、とてもお久しぶりです。 夏の間に、2冊目の本を出しました。 note.com 電子書籍だけにしようと思ったのですが、知人の熱い希望により、紙の本にもいたしました。 note.com 紙の本は、なんと厚さが3センチあります。 …

夫婦は同じ穴の狢【春にして君を離れ/アガサ・クリスティー】

お久しぶりです。 『春にして君を離れ』を読みました。 言わずと知れたミステリの女王、アガサ・クリスティーのちょっとミステリっぽくないミステリです。 アガサ・クリスティーといえば『そして誰もいなくなった』『オリエント急行殺人事件』などとにかく名…