みらっちの読書ブログ

本や映画、音楽の話を心のおもむくままに。

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古典・芸術・芸事・伝統・歴史小説・時代物

「光る君へ」の予習にぜひ【大塚ひかり『嫉妬と階級の『源氏物語』』】

謹しんで新年のお慶びを申し上げます。 昨年は大変お世話になりました。 今年もよろしくお願いいたします。 今年の大河は『源氏物語』を題材にした『光る君へ』。 いよいよ今夜から放送ですね。 私は毎週金曜日に、自分のWEBサイトのつぶやきというかエッセ…

芸術論であり文学論【ギケイキ3/町田康】

ついに。 待ちに待って5年、ついに出ました『ギケイキ3巻 不滅の滅び』。 実際、最初の行を読んだとき「あれ?2巻はどこらへんで終わったっけ」、と、途方に暮れた気分になりましたが、すぐに世界に没入。そうだったそうだった、前回は吉野山で静御前と別…

中世と絶妙に相性がいい【町田康】

町田康さんはミュージシャンです。常々、音楽と文学というのは密接な関係にあるんじゃないか、と思っています。音楽家でもあり作家である町田さんが「琵琶法師」の世界を描く。もうそれだけでわくわくします。 「ギケイキ」は「義経記(室町時代に成立したと…

歴史と人間への温かな視線にハマる【司馬遼太郎】

没後25年程経ちますが、ある程度人数が集まった無作為な集団で「司馬遼太郎の影響を受けた人」と問いかけたら、まだまだかなりの人数の手が上がるだろうと思います。 今の若い方はどうかわかりませんが、昔若かった私世代(ご推察ください)の同輩の方々は、…

「怖い絵展」を見逃したことを悔やんだ【災厄の絵画史/中野京子】

ランキング参加中読書 2017年に上野の森美術館で「怖い絵展」が開催された時、私は東京のとある街に住んでいた。 www.ueno-mori.org 駅のホームでポスターを見かけて、行ける、行きたい、と思った。にもかかわらず、半年後の引っ越しのことや子供のことでな…

半世紀、反芻できます【ないたあかおに/文:浜田廣介 絵:池田龍雄】

こんにちは。 1月も半ばを過ぎるとそろそろ節分。 今年の節分は2月2日です。長いこと2月3日が続いていましたが、明治30年(1897年)以来124年ぶりに2日になったとか。スーパーの店内アナウンスで言ってました。 節分は、立春の前日になります。ルーツは中国…

秋の夜長にたまにはよき落語など【昭和元禄落語心中/雲田はるこ】

こんにちは。 以前、外国にいたときに、立川志の輔さんの落語を聴いたことがあります。 日本ではめったに生で聴くことのできない落語を聴けるとあって毎回大盛況で、私も二度ほど行きました。 ちゃんとした落語を、ちゃんとした形で聴いたのは初めてでしたが…