今週のお題「眠れないときにすること」
こんにちは。
次の日休みなら、寝なくてもどうってことないですが、朝4時半に起きなきゃいけないのに、眠れないときが辛いです。
あの焦りってないですね。
もう秒で寝たいのに、次の朝早いのに、なんで?なんで眠れないの??
みたいな感じで何回も布団の中で寝がえり打ったりして。
そんなときに思い出すのが、『銀魂』の、第153話「寝る子は育つ」。
この回、大好きなんです。
どういうお話かというと。
次の日朝から仕事だからと、普段ダラダラ生きてる銀さん(坂田銀時)が、真面目に早く寝た日に限って神楽(かぐら)が「眠れないアル」と押入から出て来きます。
「眠れないアル。全然眠れないアル。毛ほども眠くないアル。寝よう寝ようと思うほど、頭が冴えていくね。全然眠くないアル
銀さんの寝室の押入で寝泊まりしている神楽。ドラえもん感が半端ない。眠れないのは昼間ゴロゴロしてガッツリ昼寝をしたからです。
銀さんは「寝かせろよ、私を。お前の持てる力すべてで私を眠らせてみろよ」と言われてカッときても、そっちの布団がいいと言われたら場所をかわってやります。そしてこの時神楽が語ることがもう、とてつもなく面白いのです。
「なんか全然眠れないから、どうやったら眠れるか、いろいろ考えてたアル。そしたら段々、今までどうやって寝てたのか、わからなくなってきたアル。寝方を忘れてしまったアル。どうやったら眠れるアル。どうやったら眠りの中に入っていけるアル」
「だって銀ちゃん、よくよく考えるアル。寝るって一体何あるか?目をつぶっても結局私達まぶた閉じているだけで、眼球は中でゴロゴロしているアル。真っ暗だけど結局それは、まぶたの裏側見てるだけで、眠ってるわけじゃないアル。その証拠に昼間日向たで目をとじると真っ赤アル。眼球どうすれば眠れるアルか?まっすぐまぶたの裏見ていればいいアルか?それとも上の方見てればいいアルか」・・・
巻き込まれた銀さんも次第に「意識してたら俺もワケわかんなくなってきたじゃねーか!上のほうだっけ?下のほうだっけ?眼球の置き場が分かんねーよ!」と混乱してきます。
「あと寝る時って、息、口でするんだっけ?鼻でするんだっけ?口から吸って、鼻から出すんだっけ?鼻から吸って、口からだっけ?」
「手って、組んだほうがいいんだっけ?横に置くんだっけ?布団から出すんだっけ?しまうんだっけ?枕の位置ってどのへんだっけ?仰向けだっけ?うつ伏せだっけ?」「人ってどこから生まれて、どこに向かって行くんだっけ?宇宙の向こう側ってどんなになってるんだっけ?アニメはなんで儲からないんだっけ?」「眠るってなんだっけ?」
ついに銀さん、「もう全然眠れる気がしねー。眠るのってこんなに難しかったっけ?俺たち今までこんな高度なこと毎日やってたっけーーー⁈」と思い始めます。
結局銀さんは、どんどん暴走していく神楽のためにいろいろアイディアを提供し、ご飯まで炊いてくれる。
最終的に、神楽が「あんまり静かだと色々考えちゃうからラジオつけていいアルか?」と聞きます。ラジオから聞こえてきたのは「3分で泣ける話」。それが実は怪談で、神楽はあっさりスースー寝てしまいますが、怖がりの銀さんが眠れなくなり、朝になる、というオチ。ちなみに怪談はかなりドラマティックに描かれていて、入れ子式のストーリーです。
ただ「眠れない」というだけの、誰も傷つかないし誰も傷つけないバファ〇ンの半分は優しさでできてるみたいな回なのに、話の展開がべらぼうに上手い。いつ見ても笑ってしまいます。
そもそも、神楽が銀さんのところに居候することになったのは、宇宙最強エイリアン・ハンター「星海坊主(うみぼうず)」こと神楽のお父さんが、常に宇宙を飛び回っているせいで神楽と一緒にいてやれないので、神楽を銀さんに預けていくのが発端です。神楽がお父さんについていくより銀さんを選んだ形ですね。
言ってみれば、宇宙最強の男の娘を預かったわけで、銀さん(27歳)は神楽を妹や娘のように大事にし、神楽も身内的に慕っています。実際、神楽は子供として(年齢より幼く)描かれていますが、思春期で微妙な年齢(14歳)。神楽のお父さんのほうは、娘を銀さんに嫁に出したような気持ちでいるのがたまに描写されています。
確かによく考えると、同居はちょっと微妙。必ずしも同居しなくてもよくない?下に大家さんのお登勢さんがいるわけで、お登勢さんと暮らせばよくない??それか、通って来てる新八のうちは武家でお屋敷が広いんだし、お妙というお姉さんもいる。
愛情や家族に飢えていたふたりが疑似家族として暮らすというと映画『レオン』を思い出します。私はこれを「完全版」をみたのか「通常版」だったのかどうしても思い出せないんですが、たぶん「通常版」だったのだと思います。「完全版」は中年男と少女の間に恋愛感情があったことが描かれていて、現在は子供の権利問題や少女への性的な視点のあるストーリーから不適切だと言われているようです。
そうなんだ…いい映画だったけどな。不適切。まあ、そうかもね…ナタリー・ポートマン可愛かったし、ジャン・レノも全盛期だし、ゲーリー・オールドマンも出ていて好きだったんですが。
さて『銀魂』。最終回近くには神楽がすっかり大人っぽくなって登場しますが、やはり銀さんとは同居しています。
このときの神楽の設定が面白い。神楽は修行で「年齢を自在に操れる」という技を習得しています。幼い幼女にも老婆にもなれる。仙人化しているんですよね。神楽と銀さんの同居を肯定しなければならないので、「親子設定」を維持するための措置なのかなと思ったりします。というかこれは、エリザベス化なのか??
エリザベスは、銀さんの友達の、桂小太郎の同居人(?)兼ペット。
確かに、神楽は定春(さだはる)という巨大犬を飼っていて、押入の上下で寝ているので、あながちこのエリザベス化、間違っていないのかもしれません。
まあでも、最終回のころの神楽との同居はどうかなと思いました。もう押入には寝られなくなって銀さんを寝室から追い出していたので、そんな無理設定つくってまで同居しなくてもいいのではないかと思いました。
最終回間際の『銀魂』は、ギャグも物語も勢いを失った感じがして、いまひとつ、乗り切れないま終わったという感じです(個人的な感想です)。ハーレム化してちょっと破綻してしまった銀さんは残念でした。次第に女性キャラが増え、若干、妄想というかギャルゲーの様相になっていた、というか。
「寝る子は育つ」はとにかく勢いがあったころの単純に楽しい回。
さ。そんな話をしているうちに、眠くなってきましたね。
眠れないときはこのくらい、くだらないことを考えるのがいちばんです。笑