こんにちは。
みらっちです。
先日、待ちに待った『ミステリと言う勿れ』のドラマを観ました。
この記事を書いたのが、なんと1年前とは。いやはや。待ちました。
ドラマ、よかったです。
タイトルにも書きましたが、とにかく菅田将暉さん演じる久能整くんの再現度が高かったです。ついでに言えば、漫画そのものの再現度が高かったです。妙な脚色がなかった、という意味ですが。脇役も納得の演技派ぞろいで今後が楽しみです。
整くん、あの膨大な量のセリフを、ほとんど漫画の一言一句崩さず喋ってました。セリフ外のコマに描かれる台詞までちゃんと入っていました。
どうやら菅田さん、セリフの量が多すぎて口内炎がいっぱいできて大変だったとか。
えーすごい、頑張ったね!フィリップ!(👈親戚のおばちゃんか!)
もともと、キャストが発表になったときは「あー菅田将暉さんか、ちょっと意外」と思いました。私はドラマ化の時に「○○さんがいい!」と強く思うことはあまりないのですが、やはりイメージというものはあります。
菅田さんはもちろんフィリップなので*1ずっと応援している俳優さん。大好きです。でも私はブログにも書いた通り最初の1巻を見た時「米津玄師さんっぽい」と思ったんですよね。佇まいが。髪の分量が多くて顔があんまりはっきり見えないし人見知りっぽくて物静かなんだけど、話しだすと結構話す、みたいな。ですので確かに菅田さんは、イメージは違いました。果たして誰になるんだろう?若手の俳優さんかな、と思ってました。ネット界隈では、渡辺豪太さん、というのが有力だったようですね。
確かになんとなくわかる…
とはいえ、整くんは大学生なので。20歳なので。菅田さんもう30歳近いので。結婚してるんで。無理あるんじゃない?とも思ったのですが、意外といけました。菅田さんでこそ、安定感のあるドラマになってる気がします。あんな風に観ている人を納得させてしまうのが菅田さんだな、と。
King Gnuの主題歌も良かったです。曲は「カメレオン」。
キングヌー、私は最近略して「キンヌー」と勝手に読んでいます。
息子に
「それ、略す意味ある?」
と突っ込まれています。
King Gnuはたぶん紅白には出ない系だと思っていたんですが、昨年出たのでちょっと驚きました。へーと思いました。今年は出なかったし、もう出ないんじゃないかな(👈すごい勝手な想像)。
King Gnuは『呪術廻戦0(ゼロ)』でも2つ曲を提供していて、耳だけで聴いたときに「ああこれ映像ナシはだめなやつ~」と思っていましたが、『ミステリと言う勿れ』は比較的曲単体でもいけました。
King Gnuは最近、私の中でオペラ化していて「総合芸術」化しているので、映像込で楽しむことにしています。
あっ。マズい。いきなりKing Gnuの話になってしまった。
原作漫画の『ミステリと言う勿れ』は、最初の1巻の「つかみ」が絶妙に上手くて、ううむ、これは作者の田村さんとしても比較的長い話を想定しているんだと思うけど、もしかしたら読者と編集の熱い希望でさらにどんどん連載をのばされる系の漫画になるのではないか。と思いました。いったん話が終わってもスピンオフとか番外でものすごくたくさん話が作れそう!
整くんは、最初の1回こそ安楽椅子探偵*2なんですが、その後は巻き込まれる形で事件の渦中に入り込む存在です。そこにいてもいなくても絡ませることができる。ものすごく、使えるキャラじゃん!これ絶対メディアが飛びつくよ~と思っていたらの、ドラマ化でした。
原作に忠実でありながら、しっかりドラマとして引っ張る感じがいいです。だからこその1回目がほぼ2時間……これずっと2時間枠なんですか?月9の枠はみ出してますよね。
👆のブログでも書いた、ラスボス感あふれる人物も1回目にしっかり登場(今の時点ではまだ名前が違うので今は「人物」としておきます)。
このキャラクターは、正直誰がやってもキツイだろうと思っていました。
以前書いたようにとにかく超絶美形なんですよね。日本人離れしているというよりはファンタジックなFF*3っぽい美形。ネット界隈では城田優さんというイメージが強かったようですが、城田さんが演じても誰かは何か言うタイプのキャラクターだと思います。
役者さんは永山瑛太さんでした。
へーとおもいました(よく、へーと思ってますね、私)。
こちらのキャスティングも、確かに意外だったかも。
ドラマの出来、というのは、ほぼほぼ脚本と演出、そして俳優さんの実力次第と思っているので、今回どうなることか、期待して観ていきたいと思います。
ところで、この『ミステリと言う勿れ』。
フェミニズムっぽい、ポリティカルな感じがする、説教臭い、うざい、気持ち悪い、というネガティブな評価もあるんですよね。嫌いな方は嫌いみたいです。
安楽椅子探偵モノは全体的に説経臭くなりがちなように思います。そんなことないでしょうか。周囲がその人のところに「謎を解いて」と持ってくる。なんとなく「偉い感」が漂う気がします。笑。
確かに年上の人に向かって割と強烈なことを言うんですよね、整くんは。少しメンタルに問題を抱えている子でもあるので、「言ってよい/悪い」についての基準がずれている可能性もあります。
『謎解きはディナーの後で(東川篤哉)』などは、上下関係を無視した毒舌もありながら、丁寧な言葉でお嬢様をたしなめたりする面白さでうまくその辺が緩和されていた話だったように思いますが、関係の薄い年上の誰かに向かって何かを発言することは日本ではとてもよろしくない態度ととられます。
整くんの、相手がだれであってもどんな立場の人であっても直截に物を言う、あるいは人によっては「偉そう」と思うことを言う、というのは、人を苛々させたり、屁理屈みたいにも聞こえますが、実際は「人が気軽にできないことを簡単にする」というファンタジー、まさに漫画の醍醐味なのです。この漫画は特に「言葉」は剣より強いというものを下敷きにしているように思えます。
整くんはいつも、ちょっと耳に挟んだ言葉をストックし、些細ともいえる言葉の使い方や選び方からなんとか相手を理解し寄り添おうとします。寄り添おうと努力していたら事実が浮き出てきてしまう、ということかもしれません。言葉は剣にもなるし、癒しにもなります。言葉が自在に姿を変えることで「人間」の隠された部分が見える、キングヌーの「カメレオン」もそんな歌詞でした。この漫画は単純なミステリーではなく、言葉の持つ可能性を追求しているようにも思えます。もっと人が言葉に敏感になったら、起きないすれ違い、起きない誤解もあるかもしれません。
ドラマになって、この作品を見る人々の層がより幅広くなり、評価はどうなるのかなという懸念はあります。もしかしたら批判もあるかもしれません。
そこを払しょくするためにも、キャストは20歳では駄目だったのかもしれません。
来週が楽しみです。失速しませんように。