みらっちの読書ブログ

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お前の罪を数えろ!【モンテクリスト伯/アレクサンドル・デュマ・ペール】

こんにちは。

 

子供の頃に好きだった本。

もう第六弾?そんなになりますか。

覚書なのでしばらく続きますが、この辺でカウントするのはやめておきますね。

 

ちなみにタイトルは「仮面ライダーダブル」の、桐山漣さんと菅田将暉さんの名セリフから。そろそろ「仮面ライダー」ネタで引っ張るのもやめよう…

 

【モンテクリスト伯】がとても好きだ、という話はほうぼうでしております。

 

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8月にGoogleの検索画面にアレクサンドル・デュマが出てました♪

▼印を押していくと、モンテクリスト伯の名場面が紙芝居みたいになっていて面白い趣向でした。

 

【三銃士】も捨てがたい魅力がありますが、【モンテクリスト伯】は格別です。アレクサンドル・デュマを初めて知ったのが【モンテクリスト伯】でした。

 

復讐のお話です。

 

何年か前、日本を舞台にドラマ化もしましたが(ディーンフジオカ主演で)、これまで幾度となく映画やドラマの題材になってきた物語です。

 

船乗りだったエドモン・ダンテスは婚約者もいて幸せな日々を送っていましたが、ある日騙されて無実の罪で監獄に送られてしまいます。そこは脱獄不可能と言われる孤島の監獄で、ダンテスは14年もの月日を監獄で過ごします。そこで出会った神父が亡くなったときに脱獄を決意。脱獄は成功し、神父の情報をもとに巨万の富を得たダンテスは「モンテクリスト伯」として社交界で華々しく活躍する一方、かつて自分を陥れた人々に、ひとりひとり復讐をしていく…

 

周到な計画のもとに行われる復讐劇はもちろん痛快なのですが、ただ復讐すればよいとうものではなく、ダンテスはかつての婚約者の息子や少女(異国のお姫様)のことを気にかけて、若い後進の人たちに誠実に振舞うんですね。それから受けた恩は忘れず、必ずそれに報いる。子供心に、とても品格のある人物に思えました。二十歳そこそこで投獄されて14年、ということは脱獄に成功した時は34歳なのですが、子供の私にはかなりの「おじさん」に思えていました。自分の幸せよりまずは復讐!みたいな鬼気迫る感じがストイックでしたが、確かラストシーンでは異国のお姫様とハッピーエンドだったし、これから、という年齢だったんだなぁ、と今更ながら思います。

 

そして、人間、謙虚に学ぶことは超重要なことだと胸に刻みました。確実に復讐を果たしていくために、モンテクリスト伯は富があるのはもちろんのこと、知識が豊富で博識で、情報を集めることにも長けていて、それはやっぱり「学んだ」からなんですよね。根底には執念や怨念(ルサンチマン)があるし、復讐の仕方が残酷な面もあるのですが、それでも伯爵の行動が「華麗」に思えるのは、伯爵が直接手を下しておしまい、ではなく、彼らが自業自得で自分の首を絞めるような形で終わっていくからなのかもしれません。ひたひたと追い詰められ最後は真実を知って衝撃を受ける加害者たち。根気強く外堀を埋めていくダンテス。怖いけどカッコいい。そしてなにより、基本的に、ポジティブ。絶望してもなんかポジティブ。【モンテクリスト伯】は暗いテーマなのになぜか、どこか妙に明るいところがあります。そんなところが魅力です。

 

アレクサンドル・デュマ・ペール(ペールは、大、父と言う感じの意味。大デュマ)の生涯は小説に負けず劣ら劇的です。フランス貴族のアレクサンドルおじいちゃんはハイチにある自分とこのプランテーションの女性との間にできた子、つまりデュマのお父さん(も、アレクサンドルでした)をフランスに呼び寄せます。お父さんは軍人になり、ナポレオンに歯向かったので亡くなった後家族は遺族年金ももらえず貧乏暮らし(混血だったからという説もある)。デュマ・ペールじたい、勉強熱心な子でもなく野生児だったと言います。演劇に目覚めて一念発起、劇作家デビューから大人気小説家へ。亡くなるまで、たくさんの愛人とたくさんの私生児、たくさんの訴訟とたくさんの借金を抱えていました。貧乏暮らしかと思うとお城に住んだり旅行しまくったり美味いものを食べまくったり、凄すぎる人生です。ちなみに息子は【椿姫】を書いたアレクサンドル・デュマ・フィス(小デュマ)。

 

うーんどれだけアレクサンドルが続くんでしょうか。日本でも昔は、「我が家の長男は代々『小太郎』」、というお家もめずらしくはなかったでしょうけれども(小太郎は適当。笑)。でもそれだけ愛人がいっぱいいた、ということは、情熱的で話がすっごく面白かったんじゃないかな、と想像します。

 

最初に読んだのは、小学〇年生とか、学習と科学とか、そう言った雑誌に連載されていたものだったと思います。どなたの翻訳で読んだのかわかりませんが、少なくともダイジェストであるのは間違いありません。そして【巌窟王】ではなく【モンテクリスト伯】というタイトルだったと思います。毎回毎回楽しみで、それを切り取って、ホチキスで止めて、本のように綴じて読みました。

 

その後単行本で読んだと思うのですが、児童書でも検索してみましたが、覚えのある表紙はでてきませんでした。よく外国のテレビドラマにもなっていたので、そういうものも視た記憶があります。その後翻訳の小説を読みました。

 

実話をもとにした創作だと知ったのはずっと後のことですが、とにかく手に汗握る展開、よくできた筋にわくわくしっぱなしだった気がします。小説は確かに長いのですが、長さなんて感じさせない、昨今のドラマなんか目ではない波乱万丈。面白いことは請け合います。読んだことのない人はぜひぜひ、一度お読みいただければと思います。小説の面白さや醍醐味、というのを存分に味わえる作品だと思います。

 

三銃士は、私はまともに読んだのは三銃士だけです(例の童話シリーズで)。

本当は、「ダルタニャン物語」の中の一部で、その後も物語は続き、映画などでは全部一緒になっていたり、都合のいいところだけ抜粋だったり、という感じになるようです。

 

書いていたら、また読みたくなってきました。

読んでいると中座が難しいのがアレクサンドル・デュマ・ペール。

トイレに立つのも惜しくなるのは韓流ドラマ並みです!

 

Tripadvisor | キャッスルオブモンテクリスト-プライベートトリップ、提供元:EIFFEL-MONCEAU TRANSPORTS | パリ,  イルドフランス

 

写真は、パリ郊外にデュマ・ペールが建てた モンテクリスト城。いつか行ってみたいです。