こんにちは。
しばらくの間、漫画特集で行ってみようと思います!
第一弾!【はたらく細胞/清水茜】
この作品は、作者の清水さんが「漫画塾」の学生の頃、高校生の妹に「細胞について覚えたいからわかりやすく読み切り漫画を描いてほしい」と頼まれたのがきっかけで生まれた作品だそうです。卒業制作にしたところ編集者の目に留まり、「月間シリウス新人賞」に応募、大賞を受賞しデビュー、連載に至ったとのことです。
人体の中を舞台に、体内で年中無休で働いている細胞を擬人化して、体内で起こるできごとをコミカルに、でも上手に説明しながら描いています。
教科書、とまではいきませんが、学生さんが参考書にするのにぴったり。
擬人化されているのでそれぞれの細胞の「役割」「はたらき」が感覚的にわかるのがいいです。
2018年からはアニメにもなっています。セカンドシーズンがこの1月から始まりました。
何がいいって…
絵がいいです。可愛い。そして身体を守ってくれる免疫系はイケメンぞろい。
白血球、カッコいいです。
白血球というのは、最前線で戦ってくれる戦士のイメージなので、擬人化するとカッコいい場合が多いですね。
ちなみに、「細菌・ウイルス」はモンスターとして描かれ、その排除をする白血球の仕事は「殺戮」です。なので彼らには殺戮シーンが多く、血まみれなことが多いです。補食したりもするので、そういう場面が苦手な方には少々、【はたらく細胞】はハードルが高いかもしれません。免疫系のお話がどうしても多いので、白血球、T細胞、マクロファージ、NK細胞はとにかく最前線でモンスターハンターしていますね。指令系の樹状細胞や肥満細胞、ヘルパーT細胞などの免疫制御などのお仕事は事務方、という感じに描かれています。
血小板ちゃんたちはとってもかわいいです。
私的には、こうして「イメージ化」することはとても大事なことなんじゃないかと思います。
勉強に役立つ、ということだけではなくて、たとえば自分が病気やけがをしたときに、自分の中で細胞が闘っていることをイメージすることで、戦いを助けてる面があるんじゃないか、と思うわけです。気力というんでしょうか。どんなスポーツも、また歴史上の戦争においても「応援」というのがものすごく重要だったりします。
スポーツなんかでは今無観戦での大会が多いですけど、選手はなかなか調子がでない、力が発揮できない、というのがあるようですし、「応援が力になりました」ということがあると思うんです。戦国時代でも太鼓隊とか連れていってますよね。法螺貝を吹いたり。「元寇」とかでも音楽隊が描かれているじゃないですか。銅鑼とか鳴らしたりね。古代になればなるほど、そういう役割が大きい。鼓舞する集団の力、というのは意外と侮れないものなんですよ。
人体って、現代の中ではなによりプリミティブ(原始的)なものだと思うのでそういう力が必要なことってあると思うのです。「手術は成功しましたが、本人の生きる気力が…」みたいなことってあるじゃないですか。『スターウォーズ』でも、アナキンの非道と闇落ちに絶望したパドメは「身体の状態はそこまで悪くないのに、生きようとしない」という理由で結局死んでしまいます。あとは本人の気力次第、ということがこの世にはあると思うのです。
そんなときに、擬人化された細胞を応援することは、大きな助けになるんじゃないか、と思うわけです。白血球、T細胞、頑張ってくれ!みたいな。
膀胱炎になって辛い時の抗生剤が白くてでっかい抗生剤だったのですが、あれを飲むとき「こりゃーガンダムだな」と思いましたもの。「今私の中で白い悪魔が細菌を殲滅する!」みたいに思いました。笑。そして見事に治ったときは、マジで最終兵器だなと思いました。おそらく多数の細菌たちとともに細胞たちも犠牲になった焼け野原のようになった腸内を復興しなければ…とお腹に優しいものを食べようかな、と思いました。
体内のミクロの世界では毎日こうした激戦が繰り広げられているわけです。というか、こんな風に戦ってくれたり、身体のバランスを調整してくれたりする細胞はまさに自分自身でもあるわけです。毎日様々な危険と闘い続けている人体。もう、戦いは十分じゃないですか。人間は戦争しちゃいけません。この「世界」を人為的に壊すなんてもってのほかです。
いままさにお勧めのエピソードは『風邪症候群』のエピソード。第一期アニメの特別編にもなっています。風邪をひいたとき、人体がどんな状態なのかがよくわかります。新型コロナのワクチンにはmRNAワクチンがありますが、なぜRNAに働きかけるワクチンが開発されたのかがわかると思います。
現在5巻まで既刊です。連載中かどうかはちょっとわかりません。続刊してくれるといいな、と思っています。