みらっちの読書ブログ

本や映画、音楽の話を心のおもむくままに。

あれは、いいものだ!【ドレミファブック/宇宙船ペペペペラン】~子供の頃好きだった本①~

こんにちは。

 

子供の頃好きだった本をシリーズ化したいと思います。

覚書、という感じで。

 

最初の本は【ドレミファブック】。

全20巻、レコード付。1972年頃から配本形式で発売されました。

詩人の与田準一氏、作曲家の服部公一氏が監修しています。

何度も何度も読んでは聞いて、聞いては読んだ本なので、どの巻もボロボロですが、実家にあります。

 

なかでも2歳ごろの私が最も気に入っていたらしい本は、これです。

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「宇宙船ペペペペラン」。

文:谷川俊太郎

絵:司修

曲:湯浅譲二

編曲:服部公一

語り:平井道子魔法使いサリーちゃんや魔法のマコちゃんの声優さん)

おじいさん:益田喜頓(喜劇役者さん)

 

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らしい、というのは、私にはそこまで記憶がないから。

大きくなっても繰り返し聞いたので好きだったことは間違いないのですが、2歳の頃に聴いていた記憶はさすがにありません。

哀愁漂う「ペペペペランは宇宙船~」いう歌がどうにも好きだったみたいです。

母は、私が益田喜頓さんの声が好きだったのではと言っています。母は「山田キートンさん(ちびまる子ちゃんのナレーションの人)、だっけ?」と言っていましたが、益田喜頓さんでした。

 

中は全編こんな感じで、抽象画なんですが、服部公一さんの解説にあるように、まさに絵と言葉と音楽の三位一体。

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宇宙船ペペペペランは、宇宙のお話です。

アンドロメダ目指して子供たちが出発します。女の子が13人、男の子が14人乗っているのですが、アンドロメダは遠いので、宇宙船の中で大人になり結婚します。そのとき、弱虫ロンと言う男の子があぶれてしまいます。その後宇宙船の横に穴があいて、誰かが直さないといけなくなり、ロンが直すことになります。しかし船外にいるロンを置いて、宇宙船は飛んでいってしまいます。ロンは気がふれて、歌を歌い続けます。ある時、地球に全盲のお爺さんが1人現れて(たぶんロン)、ペペペペランの物語を子供たちに話してくれますが、話し終わるとまたいつのまにか居なくなってしまいます。

 

絶望的に暗いお話ですが、上記の三位一体は私の心をとらえて離さなかったのだと思います。

 

 色々な意味で「ドレミファブック」にはすごい影響力がありました。

お話がメインのものから、童謡、クラッシックや英語の歌。

クリスマスにはクリスマスの歌やお話などをレコードでかけるのが毎年のイベントでした。

どれも私の中に活き活きとあって、いまだに絵も音楽もお話も浮かんできます。

どの曲も、どの絵も、良質だったと思います。

娘たちにこうしたものを与えてくれた両親に感謝です。

「アイスクリームの歌」などは、今小中学生の皆さんでも、もしかしたら一度は聞いたことがあるかもしれませんね。

 

60年~70年代。カラーテレビが家庭に普及して当り前になったといっても、今のように数限りなく多様なエンターテインメントや媒体があったわけでもない時代。子供に良質な文化を届けたいという思いからのこうした配本系定期購読の本は、60年代のABCブックが草分けなのでしょうか。今でも福音館からの「こどものとも」「かがくのとも」などもあると思いますが、音楽とセット、というのは画期的で、あまり類がないものだったのかもしれません。

 

数限りなくあるけれど、今のエンターテインメントが果たして子供にとって良質かどうか、はよくわかりません。あまりに多種多様なものが出すぎて、すでに頭打ちなところもあるのではないかと疑っています。結局この時代の焼き直し、みたいなコンテンツが意外に多いのではないでしょうか。

 

この時代が良かった、とか、これがこそが素晴らしい、などとは言いません。

でも、大人になっても記憶に残る、本当の意味での絵と音楽と言葉の体験、というのは今の時代、なかなかできるものではないなと子供を育てていて思います。

 

かといって、同じ体験をさせようと思っても無理だったことも確か。

何度か聞かせたりはしましたが、今の時代は「それだけ」ではない。

もっと刺激の強い、もっと面白いものがたくさんあって、子供のお気に入りにはなりませんでした。

 

それでも時代を越えて生き残るものがあると信じます。

 

ちょっと前息子と「エンタの神様」を観ていたら、急に「ぶたがにげた」が流れたので驚きました。

「我が家」というコントのグループがネタとして流していました。

何年か前の「エンタ」で、太っている人を豚とディスるためのネタだったのが残念でした。それでも、その歌を聴いたとき、私の頭の中には「ぶたがにげた」の挿絵がぱっと浮かんで、悲しい豚の親子のことを思い出しました。

 

ああいった形での使われ方は悲しいなと思いますが、それでもそれをきいて「ドレミファブック」にあったことを思い出し、連鎖的に様々なことを思い出したので、息子にその話をしました。

 

息子はネタにげらげら笑っていましたが、でも「そう言えばじいじとばあばの家で聴いたことあるな」と思い出したようでした。ほんの幼い頃に一、二度しか聞かせたことはなかったと思いますが、印象に残っていたのだなと思います。

 

私の中では「バンビ」も「しらゆきひめ」も原点はディズニーではなくドレミファブックだし、「ないたあかおに」も「ながぐつをはいたねこ」もそうです。

 

実にファンタジックな「かわぐつとじどうしゃ」はドラマ仕立てのお話。ペペペペランの次に好きでした。なんと作・脚本は井上ひさし。さっきまで知らなかった…

 

絵では、安野光雅さん、いわさきちひろさん、村上勉さんの絵と出合いました。大人になってから「ああこの絵は」と思うことのできる幸せは、なかなか得難い体験です。

 

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ネットから写真を拝借しました。

調べると、同じ様にドレミファブックで幼少期を過ごした人がたくさんいて嬉しいです。絶版になったのは本当に残念ですが、本がボロボロになろうと、レコードが聞けなくなろうと、心の中にはずっと、鮮明に生き続ける本たちです。