はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」
以前どこかで書いたことがあったかもしませんが、私は「好きな〇〇はなんですか」という質問が苦手です。あれもこれもと迷って決められないんですよね。
いつかズバッ!と答えて「我が人生に一片の悔いなし」と言いたい。
そんな私に、今回のお題は「好きな○○」。
拷問でしょうか。
スルーしようかどうか悩みました。
10も選んでよいというのですから楽勝かと思いきや、10倍大変でした。
ま、きっとあれなんですね。「好き」がありすぎるんですね。そういうことにしときます。とほほ。
さて。
私は「隠された過去がある」「顔の一部が隠されていたり、化粧をしている」「素顔がわからない」キャラクターに非常に興味があるし、魅力を感じます。
こう書くと、なんか自分が猟奇的な人みたいですが、ミステリアスというかエキセントリックなタイプに惹かれる傾向があるのは確かです。
『仮面ライダー』が好きなのも同じ理由なのかも。
呪術廻戦のコミックスが出始めの頃、漫画を読んだ息子が「おかあさん絶対、五条先生が好きだよ」と言いってきました。
「お母さんてさ、顔のどっかが見えないキャラ好きだよね。五条先生って、ナルトのカカシ先生の反対バージョンだよ」。
👇五条先生
👇カカシ先生
あはは。あらぁ、ほんと。似てる~
カカシ先生のことは、子供がアニメを観るたびに「カカシ先生いいね~」「カッコいいわぁ」と言っていた記憶があります。それで、五条先生を見た時「これはうちのハハの好きなタイプ」と思ったのでしょう。
心理学的には「顔や目を隠す人は嘘つき」と言われます。つまり善か悪かと言えば悪に属しているみたいです。海外であれほどマスクが忌み嫌われるのも「胡散臭い」「得体が知れない」=犯罪者というイメージが強いからだと思います。
「素顔を隠すキャラ」は創作で誇張された存在で、現実にはそうめったにいませんが、万が一いたら、やはりワケありの怖い人でしょうし、アブナイ香りもいたします。
それじゃあ私は「悪人」に心惹かれているということ??このマスクのご時世、まさかそこらじゅう、魅力的なひとばっかりってこと?
いやいや。マスクフェチなわけではなくて、やはり「その人物が抱えている深み・物語」があってこそのマスク(仮面)です。
素顔を隠したキャラクターが必ずしも全員悪人というわけではないし、むしろ悪を滅ぼす側である場合も多く、物語の重要なカギを担っていることもあります。でも、いかにも「正義の味方」という感じもしない。
というわけで突然ですが今回は、
「仮面の男10選」。
女性にも仮面の人はいなくはないんですが(ドロンジョとか)、男性が圧倒的に多いのもあり、一応今回は男性で。
ランキングではなく、順不同です。
- シャア・アズナブル(機動戦士ガンダム)
- ディオ・ブランドー/DIO(ジョジョの奇妙な冒険)
- ダース・ベイダー(スター・ウォーズ)
- V(Vフォー・ヴェンデッタ)
- エリック(オペラ座の怪人)
- 五条悟(呪術廻戦)
- ピーター・パーカー(スパイダーマン)
- 仮面の男(ダルタニャン物語)
- Mr.2 ボン・クレー(ワンピース)
- スタンリー・イプキス(マスク)
シャア・アズナブル(機動戦士ガンダム)
悪役として凄まじい存在感のあるシャア。目の隠れる兜をかぶっています。名言も多数です。赤い彗星と呼ばれ、通常の三倍のスピードで動き敵をせん滅する、ガンダムでは敵側の英雄。
父親を殺され名誉と地位を奪われた私怨を晴らすために、自らの所属するジオン公国のトップであるザビ家を滅ぼそうと画策します。
アムロとは互いに意識しあい、またある女性をめぐって対立する宿命のライバル。
彼は生涯に四度も名前を変えています。ちなみにシャアはお世話になった家の息子の名前ですが、未必の故意のような形で本人を抹殺し、なり替わりました。ザビ家の末子を殺害した後の「坊やだからさ…」というセリフは有名。
ディオ・ブランドー/DIO(ジョジョの奇妙な冒険)
不死身、不老不死を手に入れてこの世をば我が世とぞ思いたかったディオ・ブランドー。恵まれなかった家庭環境の中で沸々と怒りと怨恨をたぎらせ、ジョースター家に養子として入り込み、いつかジョースター家を乗っ取ってやろうと思っていただけなのに謎の「石仮面」のせいで夢が「世界征服」にグレードアップ。
冷酷で残忍な性格なのになぜか人が集まってくるカリスマ性があります。ひたすらジョースターの血筋に執着し続けるヴァンパイア、ディオ。仮面をかぶったことで吸血鬼という「怪物」になりました。とにかく名台詞が多いことでも有名です。
ツェペリ「きさま―――いったい何人の命をその傷のために吸い取った?」
ディオ「おまえは今まで食ったパンの数を覚えているのか?」
…ヤバい。
ダース・ベイダー(スター・ウォーズ)
スター・ウォーズの最初の主人公ルーク・スカイウォーカーの父、アナキン・スカウォーカー。最初のエピソード4・5・6では敵のボスキャラとして登場し、最後はジェダイの誇りと人間の心を取り戻しルークを守って命を落とすアナキンですが、仮面とマントの下の身体は全身火傷を負った悲惨な姿でした。
そうなるまでの経緯はエピソード1・2・3で語られます。オビワンの愛弟子であり、ジェダイの騎士として将来を嘱望されていました。パドメとの恋愛も成就させたアナキンでしたが、最愛の母を殺されたあたりからダークサイドに傾いていきます。オビワンとの死闘の末、四肢を切断され溶岩で火だるま状態のところをパルパティーン皇帝(ダーク・シディアス)に救われ、それ以後ベイダー卿として忠実な悪のしもべになりました。登場するときのテーマ音楽とともに、それ以後の創作物にどれほど影響を与えているかわかりません。
「もう救ってくれたんだ、ルーク。お前は正しかった。妹にもそう言ってやれ」
(You already have, Luke.You were right about me. Tell your sister you were right.)
V(Vフォー・ヴェンデッタ)
映画『Vフォー・ヴェンデッタ』(2005年)の主人公。近未来、全体主義となったイギリスでの、政治思想犯、およびテロリストであるV。英国では有名な事件に関わったことで現代でもお祭りが行われるほど有名なガイ・フォークスの仮面をかぶり、最初から最後まで素顔を見せることがありませんでした。巌窟王モンテクリスト伯にわが身をなぞらえ、復讐のためにテレビジャックをして演説をしたり、様々な事件を起こすVが、唯一後継者と認め心を許したのはイヴィーという女性でした。彼女に後を託し自分は復讐に身を捧げます。
Vを演じたのはヒューゴ・ウィービング。『マトリックス』のエージェント・スミスです。一度も顔出しなし。自らについて語るときにすべてのセンテンスの始まりをVにするなどクレイジーな感じを自ら演出しています。言葉が芝居がかり、シェイクスピアなど様々な人の言葉を引用して話します。
このガイ・フォークスの仮面は欧州とくに英国では革命を表す非常に象徴的な仮面で、現実の世界でもテロリズムや政治活動に利用されることがあります。
エリック(オペラ座の怪人)
原作は、フランスの作家ガストン・ルルーによって1909年に発表された小説です。ミュージカルで何度も上演されたり、数えきれないくらい映画化・テレビドラマ化されていて、物語もその都度少しずつ変化があるようです。
オペラ座に住む、容姿は生まれつき醜いが非常に多彩で万能な男性が、美しいオペラ歌手クリスティーナに恋をする話です。悲劇的な結末ですが、ファントム(怪人)と呼ばれるエリックが、クリスティーナとの師弟的な交流を通じて彼女を得ようとする必死さ、そして最終的に身を引き亡くなるところが哀切を誘います。
「地獄の業火に焼かれながらそれでも天国に憧れる」
五条悟(呪術廻戦)
アニメで「領域展開」と一言、アイマスクを下げた五条先生の蒼い目を見た瞬間、恋に落ちた女性は多いかもしれません。
特殊能力が強すぎて目を隠している模様ですが、すでに190㎝の長身にイケメンの時点で特殊能力でしょう。まあだいたい、仮面の下は醜いかイケメンかどちらかです。
自他ともに「最強」と認める五条先生は、特級呪術師にして主人公・虎杖(いたどり)くんの学校の先生です。彼の術式「領域展開、無量空処」無敵じゃないでしょうか…?闇落ちしたら大変な人物だと思います。
「好きな必殺技10」とかにすれば良かったかな。あ。これも語れそう。笑
ピーター・パーカー(スパイダーマン)
2002年の映画は、当時映像化不可能と言われていたスパイダーマンがCG技術の進化で映画化されたと話題になりました。
高校生の時に見学した研究所でクモに刺され、超人的な力を身に着けたピーター。最初はその能力に有頂天になり、自らスパイダーマンと名乗りテレビにまで出るほどになりますが、ある日慢心から見逃した強盗に育ての親である伯父さんを殺されてしまいます。映画では、有名な「With great power comes great responsibility.(大いなる力には、大いなる責任が伴う)」という言葉が叔父さんの遺言として効果的に使われています。
常に葛藤を抱えるスパイダーマン。アメコミのマーベルの中では断然好きなキャラクターです。
仮面の男(ダルタニャン物語)
アレクサンドル・デュマ・ペールの三部作で、第一部が有名な『三銃士』。その二十年後の『二十年後』、そのさらに10年後の『ブラジュロンヌ子爵』からなるシリーズです。
この『ブラジュロンヌ子爵』の部分を膨らませた映画が1998年にレオナルド・ディカプリオ主演で作られた『仮面の男』。仮面の男はもともとあった鉄仮面伝説から着想を得た人物で、太陽王ルイ14世の双子の兄のフィリップ。何年も鉄仮面をつけさせられたまま幽閉されていた人物なのにメッチャいい人!この映画も滅法面白かった思い出があります。
老いの兆しが見える三銃士と、ダルタニャンの秘めた恋の物語。
この鉄仮面伝説と言うのは、実在した人物で、17世紀ごろにフランスのバスティーユ牢獄に収監されていた、マスクで顔を覆った囚人のこと。鉄仮面ではなく布のマスクだそうですが、結局誰もその正体を知らなかったようで、現在でも誰だったか諸説紛々のようです。
映画『仮面の男』では国王の子(それだけではなく、もっとすごいスキャンダルつきなんですが)という設定でしたが、実際「偉い人の子」という噂は引きも切らずあったようです。
Mr.2 ボン・クレー(ワンピース)
ルフィはよく窮地に陥って、誰かに助けられて九死に一生を得ますが、ボン・クレーがいなかったら義兄弟のエースと会うこともできず、インペルダウンの奥底で死んでしまったかもしれません。
ボン・クレーはもともと敵キャラです。ルフィを助ける筋合いなどなく、むしろ抹殺するべき相手なのに、ルフィと気が合って友情を感じ、どうしても助けたくなる。それはもう理屈抜きの感情で。
「友情ってヤツァ…付き合った時間とは関係ナッスィング!!」
この人も名言多数です。「マネマネの実」の能力者で、右手で一度触ればその人になり替わることができます。お笑い芸人の演じるバレリーナのような変な格好はしているし、いつもクルクル踊っていて本来ギャグ担当キャラだけれど、彼ほど命がけで友達を助ける人は、熱い志と友情のるつぼであるワンピースの中でもなかなかいない。お〇マ拳法の達人という方が目立っていますが、マネマネの能力でどんな人にもなれるから「仮面」キャラに入れました。
スタンリー・イプキス(マスク)
1994年の映画『マスク』。当時ほとんど無名だったジム・キャリーの出世作で、好評のため『マスク2』も作られました。ヒロインはキャメロン・ディアス。ドタバタコメディなのですが、当時の特殊メイクやSFX映像によってアカデミー賞で視覚効果賞にノミネートされています。
冴えない銀行員のスタンリーはドジばかり。たまたま拾った木の仮面を顔につけると、緑色の竜巻に包まれ、変幻自在で不死身の怪人に。仮面の姿になると心が解放される反面、善悪に関する倫理観は失われるようで、気の弱いスタンリーが大胆で破天荒な人物になり、変身中に銀行強盗までしてしまいます。映画は終始ドタバタで落ち着きなく進行しますが、最終的にはヒロインとハッピーエンド、だった気がします。
映像が斬新でしたが、個人的には、あまり好きなキャラクターではありません。
思いがけず「石仮面」「鉄仮面」「木の仮面」と素材も色々出ましたね。笑
『マトリックス』の面々もサングラスをかけていて、こちらは悪役のエージェント・スミスもサングラスをかけているのですが、これはどうも考えると映画の根幹にかかわる深い理由がありそうな気がしたので番外にしました。
ほかに、好きだけど外したキャラクターがいます。『スター・ウォーズ』のハン・ソロ、『ブラックジャック』の間黒男、『狼男だよ』の犬神明、『ルパン三世』の次元大介。あと『ムーミン』のスナフキン。マスク属性はあるけれども、実際にマスクではないからですね。
共通するとすれば「クールで陰があってミステリアスだが、実は熱い情熱を秘めていたり人情や友情に篤い」という人物像でしょうか。
「弱さ」「傷」「痛み」「苦しみ」のような、強烈にネガティブな部分がその人の中に隠されていることをマスクや髪型や化粧などで暗示しているのは、創作物において人物や物語に幅を持たせる技法のひとつという気がします。
「仮面」をかぶるという行為は、社会の暗い部分と結びついています。「悪」に近いところにいるが、基本的には善人であることをほのめかしているようにも思えます。また「非日常の能力の保持者」「変身」という側面もありそうです。
例えば今回、ちょっと古いので知らない人も多いだろうと入れなかった「タイガーマスク」。いまだに、タイガーマスクやタイガーマスクの本名「伊達直人」の名前で寄付をしたりする人がいます。これはタイガーマスクがプロレスで得たお金を孤児院に寄付していたことが匿名での善行のイメージとして定着しているからでしょう。
仮面の匿名性というのは一種のマジックではあるんですよね。
「仮面」を身に着ける人物はつねに境界線上にいるのかもしれません。
隠された部分があったとしても嘘つきだったとしても、それは「悪」ではない。
では「悪」とは、なんでしょう?
どの一線を超えたら悪になるのでしょう。
常々疑問に思っているのは、
「悪人はなぜ笑うのか」
ということです。よく映画やドラマ、小説やアニメで、犯罪行為の最中にニヤリとか、ヒーローを前にして高笑いとか、してますよね。
フフフ…
ハッハッハ…
…ファーッハッハッハ!!!
みたいなやつ。
あれ、変ですよね。
奇妙じゃないですか?
でもどうも、アニメやマンガだけでなく、普通のドラマを見ていても、犯人が笑ったりすることは珍しくありません。
それまで正義の味方だった人が笑いだして、そこからその人が悪人として振舞う、なんていう演出もあります。
そういう意味では「仮面の男」が高笑いすることは少ないように思います。
あ。でも、ディオと「仮面のスタンリー」は笑ってたな~高らかに。この二人には共通点があって「仮面」によって変身・変貌して、人間をやめてることですね。
そしてシャアには、高笑いこそしないけれども狂気を感じます。
「赤いな…いい色だ」
自分の秘密を知るものをクーデターに乗じて抹殺した後、朝焼けを見てのセリフ。やっぱり、ヤバい。
「悪と笑」に関して書かれた文献が無いかなと調べているんですが、意外とないんですよね。「悪」に関しては色々あるけれども、笑いと結び付けているのが見つかりません。どなたかご存じの方、教えてくださったら嬉しいです。