みらっちの読書ブログ

本や映画、音楽の話を心のおもむくままに。

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謹賀新年 みらっちの読書初め

みなさま、あけましておめでとうございます。

みらっちです。

 

新年、最初に読みたい本、と言ったら、

皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

 

よくあるのは占いの本。

 

今年一年の運勢は、なんとはなしに

気になるものですよね。

 

初詣に行っても、つい、おみくじを引いてしまったり。

 

ひと昔前は、細木数子の占いの本が

飛ぶように売れた時代がありましたが、

ここ最近良く見るのはゲッターズ飯田さんでしょうか。

 

日本では不動の九星気学なんかも

毎年暦の本が出版され大人気です。

 

占いの数も、占い師の数も、

爆発的に増えている印象ですが、

世の中がどんなに移り変わっても

「今年がどんな年で自分はどんな運命なのか」

に興味は尽きない、ということなのだと思います。

 

占い以外だったら、筋トレやダイエットでしょうか。

こちらも「心機一転、新年から頑張ろう」

というニーズに応える本ですね。

 

他にも、積読を年をまたいで持ち越してしまい、

今年こそは読もうと思っている本があるかもしれません。

 

さて、昨年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は

ちょうど中世に興味が向いていることもあって

毎週楽しみにしていましたが、

今年の大河は『どうする家康』。

 

戦国時代というのは歴史好きの中でも

人気のある時代です。

 

徳川の時代が幕を閉じた、

幕末もまた人気のある時代です。

 

その間、270年もの

(体よく言えば)平穏を保った

パクス・トクガワーナの礎を築いたのが

徳川家康。

 

こちらもまた

多くの歴史研究家が研究をしていて、

作家さんたちもこぞって

伝記的・エンタメ系・時代小説に描く人物です。

大河ドラマにも何度か取り上げられています。

 

自らを「権現様」と呼ばせ

日光東照宮に神として収まったわけで、

「人にあらず(=神だ)」と叫んでも

征夷大将軍になれなかった織田信長より

ずっとしたたか。

 

豊臣家も完ぺきに滅亡させ、

尊敬する頼朝の「やり方」を踏襲した点で

『鎌倉殿の13人』の後釜としては

相応しい人物かもしれません。

 

興味があるのは

マツジュンに脱糞させるのか、

ということですね。

 

三方ヶ原の戦いで信玄軍のあまりの恐ろしさに

逃げ出す途中に脱糞した説ですね。

 

今は誤りとされているそうですが

都合の悪いことは最近、

全部「誤りとされている説」にされたりもしているので

ホントのことは本人にしかわかりません。

タイムマシンでも発明して

家康さんに聞いてこないと。

 

あっ

正月早々尾籠な話になってしまいました。

いけないいけない。

 

とはいえ、NHKは今年、

先週私もブログに書いた『大奥』や

どうする家康』で江戸(徳川)に目を向けさせようと

している気がしてなりません。

 

どうでもいいですが『どうする家康』の

ロゴが斬新で素敵ですね。

 

ちなみに、2024年の大河ドラマは『光る君へ』。

紫式部の生涯です。

 

平安時代は約400年。

これもまた、徳川時代と合わせて

「パクス・ヤポニカ」の時代とされています。

 

そんなわけで(どんなわけか?)この年始、

歴史にまつわる本をいくつかピックアップしてみました。

 

江戸や徳川家康の関連本ではなく、

ここは大きく「歴史」がキーワードです。

 

 

1冊目はこちら。『歴史とは靴である』。

bookclub.kodansha.co.jp

 

NHK『英雄たちの選択』などの

歴史番組でおなじみの磯田道史さんの著作です。

2019年6月に鎌倉女学院で行われた講演をまとめた本で、

磯田さんはお話が上手なので

本も大変読みやすく面白い内容になっています。

 

2冊目はこちら、『歴史学者という病』。

bookclub.kodansha.co.jp

 

こちらもテレビ等でおなじみの本郷和人さんの著作です。

最新刊だと思っていたら、

2022年12月にも1冊、2023年2月にまた最新刊が

刊行されるようで、改めて多作な方だと思います。

 

どちらの本もとっつきやすく

読みやすいのが魅力だと思いますが、

こちらは奥様(東大研究室での上司)との

なれそめなども入って自伝的。

大変わかりやすい言葉で

(ときには少々汚い言葉も交えつつ)

私たちに歴史をめぐる現状を伝えてくれています。

 

現在の歴史学の実情についてはかなり批判的な内容。

本の評価も賛否別れているようです。

 

なぜに磯田さんと本郷さんを選んだのかと申しますと、

ふたりとも現在の「歴史」をめぐる状況に

危機感を抱いている、という共通点があるからです。

 

その危機感が、表に積極的に出るアピールにつながり、

それが内外で物議を醸しだす要因となっているようですが

私は基本的に歴史というのは

アナーキーな立場をとらないと

真実は見えないと思うたちで

おふたりはそういう点で十分に

アナキストだと思っています。

 

そしてもうひとつ共通しているのは「史観」です。

おふたりの「史観」をめぐる立場は微妙に違うようですが、

大局的な、俯瞰的な視点をもつべきという点では同じだと思います。

私たちは公平かつ新しい「史観」を

ようやく会得できる時代にきていながら

過去に目を向けようとしないためにいまだ盲目部分があるのです。

 

彼らの主張の是非はいつか歴史が答えをだすもので

現代のわれわれは彼らによって提起された問題に

簡単に答えを出すことはできないのだろうと思います。

それでも「考えてみてほしい」と訴えかけるおふたりの言葉に

耳を傾けることはできると思います。

 

わたしたちは現在、脳をスマホに移したような生活に

考えることをしなくなっている場面が多々あります。

 

「考える」ということは

うかつに簡単に批判するということではなく

自分の中で問うてみる、ということなのです。

 

お正月に「恵方巻」の幟旗をみかけたときなんかに。

 

あれっ

昔、節分に恵方巻なんか食べたっけ?

あののぼりは、節分の宣伝用だよね?

お正月からコンビニにあったっけ?

 

みたいなことですね。

 

おふたりの言うようなことを

本で読むのはむずかしくてつらいな、という方のために

深井龍之介さんというイケメンの方が

「コテンラジオ」というPodcastをされています。

 

著作もあります。

『世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考』

 

www.diamond.co.jp

 

深井さんについては

『歴史学者という病』の中で本郷和人さんが

今注目している人物として

名前と「コテンラジオ」をあげていました。

 

深井さんは、歴史をコンテンツとして発信していますが、

特に深井さんの本の内容は多分に哲学的なものなので、

純粋に「歴史学」としての発信とは少し違うような気もします。

 

私も昨年、noteでこちらの本についての感想を書きました。

 

note.com

 

 

「過去」を見直して、考えてみようとする姿勢は、

「歴史」を問い直す姿勢なのだと思います。

 

 最後に『光る君へ』関連で選んだのがこちら。

 

www.kadokawa.co.jp

 

 軽く書いているように見えて、

平安文学を読み込んでいるのがわかる内容です。

そして、私のWEBの本紹介の欄にも書いたのですが、

清少納言や紫式部が、

幼馴染や、

会社の同僚とか学生時代の友達のように

思われてくるから不思議です。

 

こちらについては

改めて1冊の感想文をいずれ書く予定です。

面白かったから!

 

はい。

というわけで、新年に選んで読んだ4冊

(正確には読んだのは3冊)。

 

おやおや、ということは

みらっちの方向性は、今年、

鎌倉殿からさらに進んで

歴史なのか?と思われたでしょうか。

 

それは私にもわかりません。

気の向くまま風の向くまま。

わたしの読書ブログは

まだ新しい年を迎えたばかり。

 

今年もよろしくお願いいたします。