みらっちの読書ブログ

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ルビーな妄想劇場【お題:秋の歌】

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今週のお題「秋の歌」

 

秋の歌。

 

歌の中に季節を折りこむのは、とても日本的、という気がします。やはり飛鳥の昔から連綿と続く和歌文化が色濃く反映しているのでしょう。現代の歌にも、季節を感じさせるものが多いように思います。

 

さて私が「秋の歌」といって思い浮かぶのは、『ルビーの指環』

子供の頃に大流行して、毎日聴かない日はないくらい、聞いた気がします。

 

当時、私は小学生。

渋い声の寺尾聡さんが淡々と歌う歌に痺れておりました。

 

『ルビーの指環』は、

 

誕生日が7月の女性に、8月以降にルビーの指環を送り、秋には振られた歌

 

です。

 

子供の頃は、まあせいぜい「季節は秋なのね、コートを着ているし、枯葉ひとつの重さもない命だし、くもり硝子の向うは風の街だし」と思う程度でしたが、今考えると、

 

ああ。そりゃあ、振られるわ。

 

と思ってしまいます。

 

出会ったのが8月なのだったら、しかたない(ケース1)。でも、

 

「誕生石ならルビーなの」

 

って、8月に言ってる時点でマズいよ。

誕生日は前月。これ絶対なんかあるよ、気がつこう!

だって、次の彼女の誕生日は、ほぼ1年後なのだから。

 

ポイントは

 

誕生日がすでに過ぎてしまっていることに対し、どう対処するか。

 

ということです。

 

想定されるのはこういう状況。

 

「プレゼントをあげたいんだけど。何がいいかな?指環……とか?」

「……そうね。誕生石なら、ルビーなの」

 

なーんか、微妙な受け答え。

「アクセサリー」とか「指環」とか、よっぽど具体的に尋ねないと「なら」って言う言葉は使わない気がしますし、彼女の方は、どうにも思わせぶりな言い方です。

 

そんなことより彼女は「誕生日はいつ?」を先に聞いてほしかったのではないでしょうか。多分、この男性、聞いていない。

 

誕生日を知っている人に「誕生石なら」なんて答えることは無いと思うのです。彼女のニュアンスにはここまで言ってるんだから察してよね、的な若干キレた感じもうかがえます。

 

もし、誕生日を知っていたのなら、ぜひとも調べてほしいところです。自分で調べもしないで「誕生石って何?」と聞いてくるのは若干無神経と思われても仕方がないでしょう。

 

8月に恋愛成就、秋には振られているのなら、かなり速攻です。

 

この男性は、いつ、ルビーの指環を贈ったのでしょう。

 

「ルビー」と言った時点で、誕生日が終わってしまっていることに気づいてほしいところですが、どうも、それさえ気づいていない気がします。

 

「ふーん、ルビーなんだ」

 

と言って、次に会った時に「ハイ」ってルビーの指輪を渡されたら、結構興ざめじゃないでしょうか。せめて、

 

「ルビーは来年の誕生日に」

 

と言ってネックレスでも贈るとか、

 

「誕生日に一緒にいられなくて残念だったね」

 

と言いながら渡すとか、詐欺師ならうまく言うところでしょうが、この男性、実直そうではあるけれど全体的になんだか察しが悪く不器用な様子がうかがえます。

 

孤独が好きな俺さ

 

なので、あまりお友達もいないみたいです。「彼女、誕生石がルビーって言ってるけど、何月生まれなのかな」と聞く人もいなかったのでしょう。いまならググって解決することも、昔はこのようにアナログに友達に聞くというのもひとつの手段でした。

 

もしかしたら8月に「誕生石ならルビー」という話がでたものの、その後察しのいい彼は誕生日が過ぎてしまっていることに気づきその場は何やら別のプレゼントをして交際が1年以上続くことになり、「ルビーの指環」は次の年の誕生日に送った、というのもありかもしれません。別れたのは次の年の秋だった、と(ケース2)。それなら彼が二年引きずるのもわかる気がします。

 

しかし私は恐ろしいことを考えてしまいました。

 

7月の誕生日、彼女は本命の彼といたのです(ケース3)。が、うまくいかなかった。もちろんルビーの指輪などいただけるはずもなく。ありていに言えば、振られた。

 

クサクサした彼女は、この歌の主人公の彼とおつきあいしてみることにしたのです。それなりにいい感じかと思われたけれど、こちらの彼、どうにも察しが悪い。

 

そうなると、

 

「そうね、誕生石ならルビーなの」

 

この言葉にはかなりの毒が仕込まれていると言っても過言ではありません。なんだろう、リベンジ……?

 

そして、本当に彼がルビーの指環をくれた時「私が指環を贈ってほしかったのはこの人ではない」と思ったんじゃあ、ないか。それが速攻で冷めた理由ではないでしょうか。

 

でもせっかく指環、あなたの欲しかった指環、くれたのですから、もうちょっとつきあってみたって良かったんじゃあないかしら。笑

 

そして最悪なのがこの場合。

 

もう、結構長く付き合っていた(ケース4)

 

7月の誕生日に何も贈らなかったのか?

これまでどんな指環も贈ったことがなかったのか?

忘れていたのか?つきあってるのに誕生石も知らなかったのか?

彼女には何もプレゼントする気のないDV系ツンデレ彼氏だったのか?

もう惰性すぎて誕生日は焼き肉屋で焼肉食べて終わりにしたのか?

 

色々疑問はあれど、しかし8月には盛り上がっていたはず。

 

もしそうなら、「誕生石ならルビーなの」の意味は

 

「誕生石ならルビーだけど、欲しいのは違うものです。

 

間違っても、ルビーの指環を贈ってはならないですね。ダイヤモンドですね、欲しいのは。彼女の欲しいものは婚約指輪、が正解ですね、これは。

 

振られるわ。

 

まあでも、今の時代であれば彼女は指環をメルカリで売ったことでしょう。背中を丸めながら返そうとしたのだから、彼女は彼女なりに、彼に申し訳なさを感じたし、筋を通したのでしょう。

 

寺尾聡さんって、いい声だなぁ…

と、うっとりと聞いていた小学生の私には想像もつかない妄想劇場

 

汚い。大人は汚いよ!

 

まったくです。