今週のお題「今月の目標」
十月は、別名、神無月(かんなづき)。
Wikipediaによると、神さまが出雲に集まって翌年のことを話しあうため、出雲以外には神がいなくなるという説は、平安時代以降の後付けで、出雲大社の御師が全国に広めた語源俗解(根拠のない話が定着してしまったこと)である、とあります。
出雲に神々が集まるから「神無月」と呼ぶという民間語源が元になって、逆に出雲地方には神々が集まるだろうという俗信が生じ、出雲地方では、10月が神在月(あるいは神有月)と呼ばれるようになったというのも、一種の民間語源である(Wikipedia)
神様と仏様を一緒に祀ると喧嘩するなどの俗説もかなり浸透していますね。
日本人は信心深いと思いますが、ずれた信心深さなのではないかと思います。ほんとうはどこに自分の「信心」が属しているのかよくわかっていないし、なんだかわからないけど、年中行事はしてしまう。語源俗解でも民間語源でも、神様の宴会は楽しそうだから、なんでもいいじゃないか、と、そういうところがあると思います。
中村光の漫画「聖☆おにいさん」が、そのあたりの感覚をうまく表してくれているような気がします。
「聖おにいさん」は、イエスキリストとブッダが日本の立川にバカンスに来ている、という設定のコミカルなギャグマンガです。
14巻の99話「ちょっと贅沢な留守番、おります」にこんな話があります。
神無月に、「これって「神」様は家賃を払わ「無」くていい「月」ってことなんじゃない?」と言っていたふたり。「天部と天界」から支給されるわずかなお金で暮らしているらしい彼らは、立川の古くて狭いアパートに住んでいるのですが、毎月のお家賃は頭の痛い問題です。
「神無月」は神様たちが出雲に出張する月だと聞いて、このときとばかりに神社に参拝。いわく、「ふだんはどうしても遠慮しちゃうよね(ブッダ)」。「よし!いまなら」と「世界が平和になりますように!」とガチな願い事をするイエス。「可愛がりたかった」と狛犬をモフモフなでるブッダ。
そんなところに居残りの恵比寿さんが現れて、三人で飲みに行くことに。恵比寿さんは「ひとりで留守番なんてつまらない」と愚痴ります。「弁天は仏教の神様なのに出雲にいくし」と。そうだったな!とはっとするイエスとブッダ(そして読者も)。
恵比寿さんが居残りをしていた本当のわけは翌月帰ってきた弁天様によって明かされます。「だって恵比寿、ほかの神様はみんなインドと中国で、日本出身は自分だけだから、食事が辛くて合わないって自分から行かないっていったのよ」と。
ああ~そうだったなあ。七福神って恵比寿さん以外みんな外来の神様だった。日本ではみんな仲良く、出雲で宴会。ザッツ日本!
日本はそう言う意味で、本当に不思議な国。
日本古来だろうが外来だろうが、みんな受け入れて愛します。そしていつのまにかみんなで宴会。宗派がどうとか、そういうのがばかばかしくなるほどのおおらかさです。
さて、そんな十月が来ました。
2021年も十か月が過ぎたわけで、もう2022年に向かっている感じがします。まだ少し早いけれども、年末の気配がしてきます。残り3か月。一年を4つのシーズンに区切ったらまだ残りまるまる1シーズンあるのですが、なんとなく「暮れ行く」感じが漂ってきます。
私はどうも昔から、11月になると何かしたくなる癖があります。
11月から日記をつけたはじめたり(いつも3日坊主)、10月始まりの手帳を買ったりすることが多いのです。
ハロウィンの紀元が古代ケルト人の年末行事だと知ったときは、前世は古代ケルト人だったのかもと妄想しました(とはいえハロウィンに乗り切れないのはこちらの通り)。笑
そのため私にとって十月はちょっとした年末感があるのです。今週のお題が「今月の目標」だったのはタイムリーでした。
私の「今月の目標」は、すなわち「来年の目標」でもあります。笑
思えばこの1年も過酷な年でしたね。前年から引き続いた災害に翻弄されて、身も心も疲弊していると感じます。人の心に、『はてしない物語』のような虚無が忍び寄っている気配がします。
人間の力には限界がある、ということを思い知らされてもきましたし、立ち向かう勇気も学んできたように思います。人は、間違うし、失敗もする。落ち込むこともあります。だからと言って誰かを責めたり、攻撃しても、そこに心の安寧はないはずです。
決然と「ゆく年」に別れを告げ、来るべき2022年の新しい息吹を、冷静な心で迎えたい。ということで、今月私は、
ブログを書きます。
え…
なんかちょっと…
別に改めて言うことでもなくない?
割と日々やってるみたいですけど?と思われた方。
そうかもしれません…
決然と「ゆく年」に別れを告げ、来るべき2022年の新しい息吹を、冷静な心で迎えたい
などとぶち上げておきながら、の「ブログを書きます」、はどうなんですか。詐欺ですか。
はい。
とにかく、ブログを書きたいと思います。
世界が厄災に遭って心身疲弊しているときに、ブログに出会いました。きっと、そういう方は多いと思います。実際に始めてみて「書く」ということの力を感じていますし、世界が少しずつ修復に向かう時こそ、いよいよ、それを深めていくときなのかなと感じています。
できるだけ、明るい気持ちになれるような。
できるだけ、前向きになれるような。
ふうん、そんなこともあるんだ、とひととき、思ってもらえるような。
そんなブログにできたらなと思います。
もしよろしければ、どうぞこれからも、お付き合いくださったら嬉しいです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。