こんにちは。
今日は2020年最終日。
新しい年を迎える準備で皆さまお忙しい頃だと思います。
今年は本当にいろんなことがありました。世の中の価値観が変わった節目の年だったように思います。
さて、洋楽は詳しくありませんが、やっぱりこの人のことは注目しています。
ビリー・アイリッシュ、18歳。
毎年恒例らしい「1年後の私」シリーズ。今年グラミー賞5冠達成ですっかり貫禄がついて(良い意味で)、ますます素敵に輝いていますね。
これ、いい企画だなあと思います。
毎年同じ時期に動画を撮って、自分のことを振り返り、来年の自分に思いを馳せる。目標も新たに頑張って行けそうです。男子三日会わざれば刮目して見よといいますが、子供の成長は目覚ましくて眩しいですね。「あゆみ」(小学校時代、息子の成績表がこういう名前でした)もこういうのにすればいいのに。
18歳にして超有名人になり、親しい人の名前も超大物ばかりになったビリー。「人に話すのは大事。でも同じ経験をした人に相談するのはいいことだけど、同じ悩みをもつ人に相談しても実はしょうがないじゃない?だって同じことは起こらない」ってなかなか言えないですよね。ジャスティン・ビーバーとかアリアナ・グランデをまるで部活の先輩みたいに話すのが面白くて新鮮で、これが彼女の魅力なんだろうなと思わずにはいられません。
今年初めて異変が起こったのは「親友は誰か?」という質問です。
ずっと兄だと答えてきたのに、今年は兄、首位転落です。交友関係が広がり、物の見方も視野も広がり、いろんなことを吸収している真っ最中なんですね。
個人的な問題を色々抱えていて、だからこそ人々の共感を得てきた彼女ですが、今年は特に社会的な視野が広がり、自分や自分の周辺のことだけではなく、世の中の問題について真摯に受け止め向き合うようになったのが印象的でした。
「私を型にはめないでほしい。まだ18歳なんだからいろんなことを試したい」と言いながら「ラジオの仕事でビリー・アイリッシュを演じてる自分がいた」と語るビリー。自信も意欲もたっぷりあってもコロナで阻まれ価値観が変わったと話すビリー。
子犬を飼った、というからどんなトイプードルが出て来るのかと思ったら、マスチフ犬(たぶん)の子犬でした。生後8か月で、すでに秋田犬の成犬の貫禄なんですけど。さすがっす。
ところで、ビリーはまさに「ジェネレーションZ」「Z世代」と呼ばれる年代の人です。生まれたときからスマホがある、真のデジタルネイティブを指す言葉です。アメリカ発祥と思われます。諸説ありますがだいたい1996年~2012年までに生まれた人々、という定義になっているようです。その前の「ジェネレーションY」は「ミレニアル世代」と呼ばれ、概ね1981年~1995年までの世代を指すようです。主にマーケティングの世界で話題にされることが多いようです。幼少期から青年期にIT革命を経験したデジタルネイティブ最初の世代とされています。台湾の天才プログラマー、オードリー・タン氏はこの世代ですよね。
アメリカ以外にもこうした世代を表現する言葉は生まれていますが(日本の「氷河期世代」「ゆとり世代」「さとり世代」など)、なにか社会的事象がきっかけで生まれる「世代」というのは確かにあって、それがどこか共通した雰囲気を帯びるということはあると思います。「団塊の世代」などもそうですね。特に、IT革命前後にインターネット以前の世界を知らない世代と、旧世代の人間との差というのは確実にありそうです。
蒸気機関や電気を知った人類がそれ以前の生活に戻れないように、もはやインターネット以前の生活に戻れるような気はしません。電気のスイッチを押せば点くのが当たり前のように、デジタルネイティブ世代はあらゆる場面に置いてネット基準と言えましょう。気がついたら、動画主体の生活をしている彼らが何の話をしているかわからない、まるで宇宙人と会話しているかのように噛み合わない、ということが起こります。得ている情報がまるで違う、同じ世界のことなのかなと思うことしばしばです。
「指先一つでダウンさ~♪」というのは北斗の拳のテーマ曲ですが、今は何でも「指先一つ」。便利な反面、危険もあります。彼女たちZ世代の人たちは自らを「絶望の世代」と呼ぶこともあるそうです。漠然とした未来への不安が常に付きまとっているような世代。だからこそ自分たちが世界をより良くしていかなければならない使命感みたいなものがあるといいます。グレタ・トゥーンベリさんもZ世代です。
ビリー・アイリッシュの曲の中で、私はなんだかんだいって「オーシャンアイズ」がいちばん好きです。最初に聴いた曲だったので。アイリッシュ、という名前からケルトっぽいのかな、と思っていたらちょっと違いました。ウィスパーボイス(囁くような歌声)とよく言われますが、ビリー・アイリッシュはなんとなく「つぶやくような歌い方」だなと思ったりします。「語りかけ系」というのでしょうか。シャンソンとかボサノヴァの歌い手さんに多いですよね。曲はとてもポップですが。私は洋楽を聴いてきた流れで「ふーん、ビリー・アイリッシュかぁ、こういう曲なんだ」という感じでしたが、アメリカの十代の少年少女の熱狂の陰には、きっと歌詞にダイレクトアタック的なパワーがあるのだろうと思われます。
「All the good girls go to hell」
「いい子はみんな地獄行き」という衝撃的なタイトル。環境問題に一石を投じるMVです。
有名になった芸能人が政治的発言を始めるのはよくあること。ジョン・レノンもそうでした。そして政治的な発言や問題提起、楽曲が増えると以前からのファンがちょっと引いてしまう、というのもよくあること。若いビリー・アイリッシュさんが、これからどんな曲を書いてどんなふうに大人になっていくのか興味があります。
それでは皆様、今年は大変お世話になりました。
どうぞよいお年をお迎えくださいね。
来年も「みらっちブログ」をよろしくお願いします。