みらっちの読書ブログ

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「聖剣を抜く」クエストはここから始まった【アーサー王物語】

こんにちは。

 

子供のころに読んだ本、えーと…

あ。もうカウントしないんでした。

 

 

 

これです、これ。

たぶんまだ実家にあるはずです。

絵が綺麗で、綺麗すぎて、中身も面白そうで、どうしても欲しくて23巻だけ買ってもらいました。

いやぁ、探したら画像があるんですね。そのことがすごいです。

 

もう、いまでいうスマゲーなどの舞台になりそうな、ケルティックでオカルティックでRPG要素満載のファンタジー(アーサー王が実在したかどうかはわかっていません)です。まさに「伝説中の伝説」。キングオブ伝説。キングオブファンタジーです。『七つの大罪』なんかはアーサー王物語の前日譚らしいですね。

 

アーサーが誰にも抜けない伝説の剣カリバーンを岩から抜くところから始まって、ブリタニアの王になり、キャメロット城の円卓の騎士たち、魔術師マーリン(今思えばドルイドかな)、精霊の住む湖から出てくる聖剣エクスカリバー(その剣はまた湖に還る)、華麗に戦う不敗の王アーサーの活躍、聖杯をめぐる旅など、キングオブ伝説のてんこ盛りです。(聖剣エクスカリバーに関しては、岩から抜いた剣も湖水の精霊からもらった剣もエクスカリバーとされていたり諸説紛々)。

 

円卓の騎士がなんで「円卓」かというと、上下関係をはっきりさせない、自由にモノが言えるようにという意味だったと思います。湖の騎士ランスロット卿、ガラハッド卿、緑の騎士ガウェイン卿、パーシバル卿、トリスタン卿、ケイ卿、モルドレッド卿など、名だたる最強騎士達が勢ぞろい。円卓に座る条件も厳しくて、騎士道に乗っ取ってブリタニアとアーサー王のために戦うわけです。そこにからむ魔術師マーリン。

 

とにかくよく魔物にたぶらかされたり魔法にかけられたりして、大変なんです。都合の悪いことはだいたい魔女や魔術師の暗躍で陥れられたりしたことで、隠し子なんかはたいていこんな感じで生まれます。キリスト教世界では偉大な王に不貞は相応しくないですからね。エクスカリバーは鞘に魔法がかかっていたので、それを持っている限りアーサーは不死で不敗でした。マーリンはアーサー王が気に入っていて、ドラえもんみたいによく助けてくれるのですが、美人の魔女にたぶらかされて中途退場してしまいました。マーリンを失ったのは痛かった、アーサー。

 

みんなとにかく美女には弱く、アーサー王の妻ギネヴィアと円卓の騎士ひとりで最もアーサー王に近い腹心の臣下ランスロット(めっちゃいい人でいい男)の浮気が物語の転機になるのですが、確か子供向けのこの本ではそんなことは適当にぼかされて書いてあったんじゃないかな、忘れたけど。

 

この浮気事件は結構な事件でアーサー王の破滅、騎士団が崩壊する要因になります。アーサーは忙しかったので不在なことが多く、その間にランスロットが通ってきてて、それをアーサーはほぼ黙認状態だったのですが(アーサーにも隠し子がいるし)、それを騒ぎ立てた騎士がいて(誰だったっけ?アーサーの隠し子だったかな)、アーサーも体面上後に引けなくなりランスロットを追撃せざるを得なくなった、という話だったと思います。すみません。違っていたらごめんなさい。これがきっかけでアーサーの栄光に陰りが出てきて、フランスに逃れたランスロットを追って城を空けたすきに、裏切者の騎士が城を乗っ取ってブリタニア王になってしまうんじゃなかったかな。最終的には部下の裏切りで命を落とした(んだったか、深手を負って小舟に乗ってその後は妖精の国に…だったか)。

 

トリスタンとイゾルデの話はオペラや演劇では有名なお話です。円卓の騎士は、ランスロットだけではなくてパーシバルとかガウェインとか聖杯伝説に絡んだりそれぞれにお話があって、古いお話にはよくありがちなことに、何世紀にもわたってのいろいろな伝承の寄せ集めで、古いものから新しいものまでが雑多に詰め込まれたお話になっています。あっちこっちにキリスト教からの影響が垣間見られ、古代のおおらかなケルト神話にキリスト教が介入したので、物語的には支離滅裂になってしまった、というようなこともあったようです。

 

そんなわけで、お話自体が取り留めのないところもあり、不思議な話満載、バラバラ感や突飛な感じも否めないのですが、それでもこの本は面白かったです。いかにも中世風の絵が美しかったのです。とてもきれいで、いつまでも絵を眺めていました。

 

 悪魔的とさえ言われた19世紀末のイラストレーター、オーブリー・ピアズリーのアーサー王伝説の挿絵イラストは有名です。

 

 

いかにもアールヌーヴォー。タロットカードみたいです。

 今、ネットで偶然見つけたピアズリーの挿絵のアーサー王伝説の洋書。

何とお値段330,000円なり!

www.kosho.or.jp