みらっちの読書ブログ

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ハロウィーンが近づくと思い出す【ガラス山の魔女たち/エルナー・エステス】

こんにちは。

 

子供の頃好きだった本、第六弾。

 

ハロウィーンはまだ少し先ですが、私が初めてハロウィーンやイースター祭りの具体的な内容を知ったのはおそらくこの本からだったと思います。

【ガラス山の魔女たち/エルナー・エステス】

ガラス山の魔女たち

 

すでに絶版になってしまって、『魔女ファミリー』というタイトルで復刻したらしいのですが、それもどうやら絶版になったようです。一度、図書館で、横浜市に一冊しかないその本を取り寄せたのですが、見るも無残なまっ茶色のぼろぼろの単行本が現れたときはすごくがっかりしました。あまりにもがっかりして読まずに返してしまいました。学校の図書館で夢中になって読んで、確か中高生のころ、おこづかいが自由になってから自分で単行本を買った記憶があります。実家にはおそらくあると思うのですが、でもきっと、図書館で取り寄せたのと似たような状態になっているかもしれません。

 

幼い女の子二人組が、お絵描きしながらお話を作って遊んでいるのですが、女の子たちが「魔女ばあさんはガラス山に追放!」と決めると、本当にガラス山に魔女が追放されてしまうのです。女の子たちはふたりで楽しくお話を作っているだけなのですが、ガラス山ではそれが現実に起こっていて、魔女ばあさんは憎悪を募らせながらもどうしてそんなことになっているのか知る由もないのです。魔女ばあさんがちょっとは可哀そう、というのでふたりは「ちび魔女」をガラス山に住まわせます。魔女ばあさんとちび魔女、そしてほかの魔女との交流がありながら、魔女がガラス山で生活するのと、少女ふたりの遊びがリンクし、空想と現実がごちゃまぜになった世界がとても面白くて、わくわくした記憶があります。ちょっと今でいう「異世界もの」に近い世界観があったような気がしないでもありません。

 

読み直していないので、今、ほとんど記憶だけを頼りにしていて、もしかしたら筋がちょっと違うかもしれません。ガラス山の「現実」と、ふたりの少女の「現実」をつなぐのは、「マルハナバチ」という蜂です。この蜂は文字を知っていて、ふたつの世界をつなぎ、少女とちび魔女が交流するのが夢みたいで楽しかったなぁ、と思います。

 

ところで魔女と言えば、ジブリの『魔女の宅急便』を、私はどういうわけか縁がなくてちゃんと観たことがないのです。アニメ好きな私が「魔女宅」を観ていないのは自分でも意外ですが、全編を通して観られない運命の映画ってあるんですよ(って自慢げに言うことではないですが)、放送日を間違える、借りてきて期限内に観られない、途中で中座せざるをえなくなる、というようなことが重なると「ああ私、魔女宅観られない人なのか」と絶望的な気分にもなるというものです。

 

「魔女宅」はもちろん角野栄子さんによる原作本があり、そちらも何度も図書館や図書室でお目にかかっているのですが、読もうとすると借りられていたり、「また今度」「この次」と先延ばしにしているうちに読みそびれて今に至ります。途中まで映画も見てるし、登場人物もあらすじも知っているので見た気になってしまっているのも原因かも。私の「魔女もの」の原点は「ガラス山の魔女たち」で、もしかしたらあの魔女たちに「ほかの魔女ものは読まないこと!」と魔法にかけられているのかもしれません(ハリー・ポッターは読んでいるので「魔法使いもの」は大丈夫)。笑。

 

ハロウィーンだけなら、初めて知ったのは、映画『E.T』です。あの映画で、「ハロウィーンの日は子供たちがゾンビやお化けの格好をして家々を回りってお菓子をねだる」ということを知ったのですが、実は子供心に「なんか怖いお祭り」と思っていました。「お盆だから浴衣着て」というのと同じに思えなかったんですね。『E.T』はもちろん感動的な映画でしたし、あの当時リアルタイムで映画館で観たのは貴重な体験でしたが、ハロウィーン=不気味、というイメージが強かったのは確か。

 

でもこの『ガラス山の魔女たち』の中では、ハロウィーンは魔女が大活躍する日なわけです。それはもう、楽しみにして準備をしたりするのが、とても印象的でした。「あれ(E.T)」と「これ(ガラス山)」のハロウィ―ンが一緒のおまつりなんだとはにわかに思えなかったですね。

 

ハロウィーンの日は、ちび魔女と現実の少女たちとの交流のようなものがあった気がします。直接会って話をする、というのではなく、少女たちの家の周りに現れる、というニアミス的な接近だった気がしますが。すみません、記憶が定かではありません。イースターのときもそれなりに少女たちと魔女たちの何かがあった気がするのですが、印象深いのは断然、ハロウィーンの方。

 

最近はハロウィーンは日本にも定着して、それこそお祭り騒ぎをするようになりましたね。私は大人になってから子供のパーティーに参加したりしましたが、実は今でもハロウィーンはちょっと苦手。でも、ハロウィーンの日が近づくと、必ず『ガラス山の魔女たち』を思い出すのです。