みらっちの読書ブログ

本や映画、音楽の話を心のおもむくままに。

読書ブログ(和書)

想像力は最高の音響効果②【ピアノ編】

こんにちは。 以前、「想像力は最高の音響効果①」を書いたときに、音楽を題材にした漫画や映画を楽しむためには、脳内で音楽を再生する手間暇が必要で、そしてそのための想像力を巧みに刺激する演出というのがあると思う、ということを書きました。 miracchi…

「推し」は世界を救う、かもしれない【推し、燃ゆ/宇佐美りん】

こんにちは。 先日久しぶりに通販のカタログを眺めていたら『推しの祭壇にピッタリ!』と言う惹句が目に入りました。 推しの祭壇、とは、自分の好きな人物に関連するグッズを、神棚のように棚に飾り付けることを言うそうです。 ついに通販で専用棚が売られる…

心に撒かれた種が時間差で花咲く【白河夜船/吉本ばなな】

こんにちは。 以前、村上春樹について書きました。 村上春樹『ノルウェイの森』の出版と同時期に鮮烈な印象を持ってデビューして、一躍大人気となり、売れっ子作家となったのが、吉本ばななさんです(なんかすみません、村上春樹は敬称略で吉本さんは吉本さ…

戦争はすぐにはじまるもんやない【戦中・戦後の暮らしの記録 君と、これから生まれてくる君へ/暮らしの手帖編集部】

こんにちは。 終戦記念日です。 先日、実家との電話に息子が参加し(最近は思春期でそうそういつもは話さない)、たまたま「もんぺ」の話が出て、息子が「もんぺ」を知らなかったことがわかり、つい「えーもんぺ知らないの?」と言ってしまいました。 『まん…

弱者を作り出しているのは誰(※センシティブな話題を含みます)【炎炎ノ消防隊/大久保篤・彼女は頭が悪いから/姫野カオルコ】

こんにちは。 子供が小学生のころボランティアで「読み聞かせ」をしていました。 実は「読み聞かせ」という言葉を聞くと複雑な気持ちになります。子供たちの視点から見ると「読み聞かせられ」になり、少し一方的に感じてしまうのです。 「読み聞かせ」はすっ…

愛犬が教えてくれたこと【人生をいじくり回してはいけない/水木しげる お題:記憶に残っている、あの日】

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」 こんにちは。 もうすぐ、愛犬の命日です。 外国で死んでしまいました。 避けられなかったあの日を思うと、今でもとても辛いです。 「記憶に残っているあの日」。 入院することになって「じゃあいく…

僧侶だろうと、あるいはそうでなかろうと、私は無常【超越と実存「無常」をめぐる仏教史/南直哉】

こんにちは。 一時期、仏教関係の本を読み漁っていたことがあります。 たとえば「禅」。マインドフルネスに影響を与えてるし、なんか現代ではちょっと「カッコいい」「外国から見直されている日本の文化」みたいに思う人もいるかもしれませんがれっきとした…

この支配からの卒業【本心/平野啓一郎】

こんにちは。 このところ、比較的新しい「小説」を読むことが増えました。 『本心』も、5月に出たばかり。 コロナ禍になる以前は、いわゆる純文学の「小説」からしばらく遠ざかっていました。 「小説」は、読むときは読むのですが、しばらく遠ざかると距離を…

ユートピアを断念した物語【銀河鉄道の夜/宮沢賢治】

こんにちは。 読書ブログを始めてから、避けては通れないと思っていたのが、宮沢賢治(固有名詞で表現される存在なので敬称略)の『銀河鉄道の夜』。大学で卒論に選んだくらいなので、幼少期から現在に至るまで、結構引きずりまくっています。 でもすごく好…

ハルキストとアンチの間の森で道に迷う【ノルウェイの森/村上春樹】

こんにちは。 村上春樹は、かつてファッションでした。 こう書くとものすごい反論が来そうです。なにしろ高い評価を得ているノーベル賞候補作家で(ノーベル賞だけが獲れないと言われるように他の文学賞は総なめくらいの受賞)、世界中にファンを持つ売れっ…

好奇心を持ち続けること【臨死体験/立花隆】

こんにちは。 先日、立花隆さんが亡くなられました。正確には、4月に亡くなられていたとのこと。 「知の巨人」の不在に寂寥を感じております。 立花さんの『臨死体験』が今、手元にあります。 亡くなられた、と聞いたとき、この本のことを真っ先に思い出して…

子子子子子子子子子子子子、何と読む?【鬼の橋/伊藤遊】

こんにちは。 今日は児童小説です。『鬼の橋/伊藤遊(いとう・ゆう)』。 1998年初版。福音書館。第三回児童文学ファンタジー大賞受賞作です。 www.kinokuniya.co.jp まずはタイトルの答え。「このねここねこ、ししのここじし」が正解! これは『宇治拾遺物…

母と娘のブルース【流星ひとつ/沢木耕太郎】

こんにちは。 以前からもよくブログでお話ししていますが、私は宇多田ヒカルさんのファンです。 藤圭子さんと、宇多田ヒカルさんの世代の、ちょうど狭間の世代にある私は、歌手の藤圭子さんを知りません。歌っている姿をテレビで見た記憶がほとんどありませ…

ガンダムを語る日【スペース・コロニー 宇宙で暮らす方法/向井千秋著・監修】

こんにちは。 ついに、この日が来ました。 「ガンダムを語る日」が。笑 昨年、自粛を機にこれまでちゃんと観たことのなかった『機動戦士ガンダム』の宇宙世紀シリーズをほぼ網羅しました。ほぼ、というのは、『Gのレコンギスタ』は途中、『Vガンダム』はまる…

家族とは人間の本質的な悩みの種【なんで家族を続けるの?/内田也哉子・中野信子】

こんにちは。 女優でエッセイストの内田也哉子さんと脳科学者の中野信子さんの対談をまとめた本です。対談なので特別な結論があるわけではありませんが改めて自らを振り返ってみる機会にはなりました。 www.kinokuniya.co.jp 樹木希林さんと内田裕也さんが鬼…

コピーが不機嫌にならないような働き方改革が必要かも【ブレーメンⅡ/川原泉・ボッコちゃん/星新一】

こんにちは。 先日、お友達のNさんとお話ししていたら「AIが社長をやっている会社があるらしい」という話になりました。株式会社オルツという会社だそうです。HPには"私たち自身の意思をデジタル化し、クラウド上に配置してあらゆるデジタル作業をそのクロー…

をんなのしごととはなんぞや【小林カツ代と栗原はるみー料理研究家とその時代ー/阿古真理】

こんにちは。 最近「アイキャッチ画像」を作るのに目覚めました。 「アイキャッチ画像」というのは、たとえばこういうのです。 すごいですよね~ ちゃんとタイトルも入れられるし、楽しいです。 シリーズ【料理本の世界へようこそ】。の、2回目です。 www.ki…

国家が子宮を支配する①【中国「絶望」家族/メイ・フォン】

こんにちは。 今朝、たまたまNHKで米国の中国からの養子問題について取り上げていたので、こちらを出すときが来たかな、と思いました。蔵出しです。 【中国絶望家族「一人っ子政策」は中国をどう変えたか/メイ・フォン著・小谷まさ代訳/2017】。原題は【On…

必読!いまこそ読みたい【臨床の砦/夏川草介】

こんにちは。 久しぶりに、本を読んで泣きました。活字中毒で年中本を読んでいるので、結構耐性が強くなっていて、滅多なことでは泣かないんですが。 www.shogakukan.co.jp 作者の夏川草介さんは長野県の感染症指定医療機関に勤める内科医です。代表作に『神…

人間は誰でも不安や恐怖を克服して 安心を得るために生きる【陰謀論の正体!/田中聡】

こんにちは。 ときどき本を何冊か同時に読むのですが(空いた時間に、気まぐれに読んだところからまた読む、という、集中型ではない読み方)、今は三冊くらい同時読みで、とりあえずこの本を読み終わったので書いておきます。 www.kinokuniya.co.jp これまで…

パンデミックの世界を生きる少女たち【がっこうぐらし!/原作:海法 紀光・作画:千葉 サドル】

こんにちは。 2019年に始まったウイルスの流行が、2020年にはついに世界中に広まりパンデミックになった世界に、今、私たちは生きています。 今日ご紹介する漫画は、もっと過酷な「パンデミック」を体験した少女たちの物語です。 【がっこうぐらし/原作:海…

やっぱり最後は人間、という希望【窓際のトットちゃん/黒柳徹子】

こんにちは。 テクノロジーと教育、第4回目。いちおう、最終回です。 今日は1980年代のベストセラー、『窓際のトットちゃん』のお話です。 窓ぎわのトットちゃん 新組版 (講談社文庫) 作者:黒柳徹子 発売日: 2017/09/29 メディア: Kindle版 先日、オードリー…

馬と鹿【A.I vs 教科書の読めない子供たち・A.Iに負けない子供を育てる/新井紀子】

こんにちは。 「テクノロジーと教育」第3回です。 www.kinokuniya.co.jp AIが進化してシンギュラリティ(技術的特異点)を超えると、人間の知能を上回り、人間とA.Iが逆転する日が来る と、まことしやかに言われて久しいですが、この本では、そんなことはま…

サザエさん形式はすべからく「あり」【だれも知らない小さな国/ふしぎなふしぎなながぐつ 作:佐藤さとる・絵:村上勉】

こんにちは。 小学生の時、よく読んでいたのが佐藤さとるさんの「コロボックルシリーズ」です。日本のファンタジー文学の草分け、第一人者とされている佐藤さとるさん。『誰も知らない小さな国』は、その第一作です。 Wikipediaには、 1959年(昭和34年)に…

そのタブレット、使っていますか?【テクノロジーは貧困を救わない/外山健太郎、訳:松本裕】

こんにちは。 テクノロジーと教育、第2回。 前回のオードリー・タン氏の言葉に「テクノロジーは人間の持っている価値をエンパワー(増幅)する」という言葉があったことに驚きました。ちょうど、この『テクノロジーは貧困を救わない』を読み直したばかりだっ…

オードリーと言えばヘップバーンの時代は終わった【Auオードリー・タン 天才IT相7つの顔/アイリス・チュウ/ 鄭仲嵐 (共著)】

こんにちは。 たまたま「テクノロジーと教育」に関する本の感想が溜まってきたので、シリーズ化して書き残しておこうと思います。今回は第1回。 先日実家との電話で「新聞に台湾のオードリー・タンという人が載っていて、ご両親が『窓際のトットちゃん』を…

そういえばハリーポッターの「名前を言ってはいけないあの人」も途中から普通に名前を呼ばれてた【生理用品の社会史/田中ひかる】

こんにちは。 先日、NHKのニュースを観ていたら、貧困のため生理用品を買えずに困窮する若い女性のことを取り上げていました。Twitterでも、母親のネグレクトや父子家庭で父親と話せないなど家庭の事情で、生理用品を切りつめながら暮らす少女がいるというこ…

そこに行けばどんな夢もかなうというよ【西遊記/呉承恩】と【文学少年と運命の書/渡辺仙州】

こんにちは。 今日は子供の頃好きだったシリーズ。 西遊記! 子供の頃の人気番組と言えばこれですね。 毎週楽しみにしていました。主題歌を歌ったゴダイゴの人気と相まって、強烈な印象を残しています。残念ながら岸辺四郎さんは昨年亡くなってしまいました…

およそ言葉と言うものはその人の背景から出る【フレデリック/レオ・レオニ】

こんにちは。 今日は絵本のお話です。 レオ・レオニの【フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし】。 フレデリックは野ネズミです。仲間たちは冬に向けてせっせと食料をため込んで準備をしているのに、彼はひとり、なんにもしません。「何をしてるの…

料理コンプレックス三千超【ようこそ料理本の世界へ①】

こんにちは。 なんとなく、衣食住シリーズ。笑 先日作家の辻仁成さんがご自身のブログに「ご主人が褒めないなら、ぼくが世界中の主婦を誉めたい」という記事を投稿されていました。仕事を持つ主婦だけではなく専業主婦へも向けたメッセージで、Twitterでも熱…